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子どもとゲームのつきあい方を考える

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指導の展開例

指導の展開例について

 先の授業指導案に準じた授業の展開例です。
 教員の発問や児童の反応に応じた展開を授業の流れに沿って記述しています。すでに実践した授業内容に基づいて導入から展開、まとめなどの活動内容と教員側の留意事項等を時間の経過と共に説明しました。この展開例を参考にしていただきながら実践するクラスの実態に応じた授業を組み立ててください。
 
     第2時間目の展開例   第3時間目の展開例   第4時間目の展開例   第5時間目の展開例
 第1時間目の展開例 ゲームの登場人物を考えよう

本時の目標

 ゲームの分析を通し、記載されているレーティングや、ゲームをおもしろくする要素に独自の世界観等があることに気づくことができる。ゲームの適切な選択のしかたと、その必要性について考えることができる。

本時のための準備
 指導案、ワークシート、パワーポイント、資料集

展開例
 表中の「○○○」は、教員の発問に対する児童の応答例です。

 展開例  指導のアドバイス
導入・・本時のめあてを考える(5分)

ゲームを持っている人は手を挙げてください。
はい、ありがとう。
どんな種類を持っていますか?
いろいろなゲーム機を持っているのですね、今のゲーム機はたくさんの種類があります。
ではゲーム機は何年前に誕生したのでしょう。

「10年前」「20年前」「50年前」

はい、いろいろ意見が出ました。
正解は、(パワーポイント)1983年だと言われています。
初めて誕生した家で遊べるゲーム機はこんな形をしていたよ。
見たことがある人もいますね。
この1983年はもうひとつ、みんなの大好きなものが誕生しました。
なんだろう。(いろいろな発言が出たところで)
正解は(パワーポイント)東京ディズニーランドがオープンした年です。
みんなが大好きなものがふたつ誕生した年なんだね。

今日はみんなの大好きなゲーム機について、考える学習をしたいと思います。
ゲームはどんなところが面白いですか。

「通信で遊べる」「音楽」「立体になる」「キャラクターが面白い」

いろいろな意見が出ましたね。
ゲームには面白くするためのたくさんの工夫があるのかな。
それはどんな工夫なのでしょう。

今日は、ゲームのひみつについて考える授業をしましょう。
今日の授業で、不思議に思うことを発見してください。



初期のゲーム機は音や画面、表現も単純でした。そんな説明を加えて展開してください。

この学習では、児童からは同じような回答が返ってきます。
「敵を倒すとすっきりする」など驚くような発言をする児童もいますが、否定せずに聞き取りましょう。

導入での発問は、クイズのように展開すると、その後の学習に興味を持ち、児童のやる気が向上します。

ゲーム機の理解は個人差が大きいため、一部の児童の発言に偏らないようにしましょう。
展開・・ゲームの登場人物、現実との違いを考えよう (35分)

ゲームにはどんな種類がありますか?冒険とかスポーツとか。

「アクションゲーム」「パズル」「お勉強」「RPG」「育てるの」

はい、ありがとう。ゲームにはたくさんの種類がありますね。
アクションゲームは、どういうゲームですか?

「戦う」「戦争」「人を倒す」「敵をやっつける」

闘うゲームのことをアクションゲームと言うのですね。
ではそのアクションゲーム、闘うゲームでは、敵を倒す人はどんな性格の人が多いですか?
それから、倒される、やっつけられるキャラクター、人や動物、ものはどんな性格が多いですか?
グループに分かれて考えてみましょう。
考えた意見は、ワークシートの1番に書きましょう。

(3〜4人のグループに分かれて話し合わせる)(6分)

ではグループで出た意見を発表してもらいましょう。グループからひとりずつ立ってください。順番に発表しましょう。
敵を倒す人はどんな性格の人が多いですか?

「優しい」「強くてかっこいい」「勇敢」「正義の味方」「武器を持っている」「世界を救う人」

こんどは倒される人、動物、ものはどんな性格ですか?

「弱い」「不細工」「ひきょう」「性格が悪い」「武器を持っていない」「同じようなキャラクター(個性がない)」「たくさんいる」

たくさん意見が出ましたね。
では、みんなから出た意見を見てみましょう。(黒板を見る)
敵を倒す人は「優しい」「強い」「かっこいい」「勇敢」と答えてくれたお友だちが多かったですね。
倒される人、動物、ものは「弱い」「性格が悪い」「醜い」などと答えてくれたお友だちが多かったですね。


アクションゲームを知らない児童もいます。
アクションゲームがわからない児童が多い場合、例えばスーパーマリオのシリーズなどもアクションゲームだよ、など助言してください。









グループ分けをする時、偏りがないよう工夫してください。
話し合いが進んでいないグループには声をかけて助言してください。




ここは同じような答えが多いですが、同じ答えでも発言させてください。
出された意見は板書してください。







 
それではここで、これを見てください。(ゲームソフトを見せる)
これはなんというゲームですか?

「○○というゲームです」

そうですね、このゲームソフトの箱にはいろいろなことが書かれていますね。どんなことが書かれていますか?

「登場人物」「キャラクター」「お話の説明」「年齢制限」

年齢制限という意見が出ました。それはどこでわかりますか?

「箱のAというマークです」

どこに書かれていますか?

「左下です」

他にはどこに書かれていますか?

「横の細いところです」

このマークは、年齢制限だという意見がありましたね。
どういう年齢の制限という意味か知っていますか?

「遊んでもいい年齢です」

このAというマークは何歳が対象という意味ですか?

「全年齢」

全ての子どもが遊んでもいいという意味? 
では、これはなんというゲームですか?(別のゲームソフトを出す)

「○○というゲームです」

このゲームソフトにもマークはついていますか?

「それはCです」

Cはどういう意味のマークですか? 

「15歳以上という意味です」

さっきのゲームソフトと違いますね。
では、なぜこのゲームソフトはCなのだと思いますか?

「グロテスクだから」「血が出るから」「ゾンビが出るから」


ゲームソフトは有名なものを用意するか、資料集の写真を使ってください。




















 レーティングマークに気がついたら、そこから学習を展開していきます。
マークに気がつかない時は、箱には何かを知らせるしるしなどはついていますか?と問いかけてみます。


レーティングについては資料集を参照ください。
殆どの児童がレーティングマークを見たことがある、または知っています。

レーティングの意味を誤って認識している児童も多くいます。
その場合は、ほんとうにそうかな?
と疑問として残してください。

なぜグロテスクだとC、15歳以上なのでしょう。
ここで、ほんとうの世界に当てはめて考えてみましょう。
ほんとうの世界だったらどうでしょう。

みんなの世界では、もめごとやトラブルや問題が起きた時、相手を倒したり叩いたり蹴ったりして問題を解決する人はいるでしょうか。

そんな人がもしいたら、優しい人だなあ、勇敢な人だなあと思うでしょうか。

なぜゲームの中では、問題を解決するために暴力を使う人を優しい、勇敢な人だと思うのでしょう。

倒される人、動物、ものについても考えてみましょう。
倒されるキャラクターは、弱い、性格が悪い、と答えたお友だちが多かったですが、本当の世界では、弱い、性格が悪いというだけで、その人が倒されても消されても仕方がないと思うでしょうか。

なぜゲームの中では、弱い、悪いキャラクターは倒されても仕方がないと思うのでしょう。
なぜゲームの中では、暴力を振るう人を、優しい、勇敢な人だと思うのでしょう。 

グループで考えてみましょう。(5分)
 この発問をすると児童の表情が変わります。ゲームの世界ではアクション、暴力が現実とは違う描かれ方をしていることに気づく児童が多いからです。
この気づきを広げるようにグループで話し合わせましょう。
 なぜゲームの中では、闘うキャラクターは同じように描かれているのでしょう。
ほんとうの世界とゲームの世界の違いはどこにあるのでしょう。
では、グループで出た意見を発表してもらいましょう。
グループからひとりずつ立ってください。順番に発表しましょう。

「ゲームは遊びだから」「ほんとに戦ってないから」
「ゲームはリセットできるから倒しても生き返る」
「ゲームでは何をしても捕まらない」
「敵を倒す人はゲームの中ではヒーローだから」


はい、いろいろな意見が出ましたね。
本当の世界では、倒されたり叩かれたら痛いですね。
楽しくないですね。
弱いというだけで、仲間外れにされたり暴力をふるわれたら、
いやですね。現実ではしてはいけないと、みんな思うのですね。
レーティングがABCDZに分けられている秘密は、ここに
あるのかもしれませんね。
その秘密についても考えてみたいですね。


発言はワークシートに書き取らせてください。

話し合っても意見が出ないこともあります。なぜ現実ではありえないことが、ゲームの中のアクションでは描かれているのか、分からなくなる児童も多いからです。


この段階では答えが出せなくてかまいません。
今後の学習の流れの中で不思議を見つけ、それはなぜなのかを考え、学習の過程の中から自分なりの答えを導き出してほしいと思います
まとめ・・ ふりかえり (5分)

今日の学習で気がついたことをワークシートに記入しましょう。
次回の学習で考えたいと思ったことも書きましょう。

それでは、感想を発表してください。
 第2時の学習に入っていけるよう、気がついたことは具体的に書かせてください。なぜそう思ったの?というように、理由を聞いてください。わからない場合は、疑問を書かせてもいいと思います。仲間の意見や情報を書かせてもいいでしょう。心に残ったことが、自分なりの答えを探していく今後の課題となると思います。

     第2時間目の展開例   第3時間目の展開例   第4時間目の展開例   第5時間目の展開例


 児童は、レーティングのことを結構知っています。 指導する教員が正しく理解し、正確な内容を伝える必要があります。
 子ども達が正しい知識をもとに、適切に判断できる土台作りを心掛けて授業をデザインしてください。

 
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